2009-07-28 混交研究その5 次回作の構想です。 仮題:初期近代の混合理論と原子論における運命のいたずら:スカリゲルの受容 1. はじめに 混交の問題の意義、論点を解説 質料形相論の弱点(発生と混交) ザバレラによる分類 アヴィセンナ,アヴェロエス(済み),トマス,スコトゥス(済み) 原子論者にも取り上げられる。原子論正当化のため→どのような形で? 2. 3人の原子論者の混交理論 バッソ(済み)。ゼンネルト(済み)。シュペリング(済み)。 全員がスカリゲルに同意する。スカリゲルはアリストテレス主義者なのに。 形相の残存説をスカリゲルが支持していたと理解。 スカリゲルは原子論と親和的な混交理解をしていた?→実際にそう考えていたのか? 3. スカリゲルの混交理論 『演習』について 論敵カルダーノの見解(不要?) 演習16番 形相が失われるという説 アヴェロエス、アヴィセンナ、スコトゥス批判 演習101番前半 形相が残るという説 演習102番後半 形相が失われるという説 形相の階層構造に依拠 アヴェロエス批判 4. 結論 ミニマを想定しながらも形相の残存は否定するスカリゲル。 形相の宗教という背景(次の研究)。 スカリゲルが原子論に適合する形で受容された。 スカリゲルが形相を重視していた点はバッソンもゼンネルトも把握。 代表的アリストテレス主義者であるスカリゲルを、原子論正当化のために使おうとする戦略がもたらした「運命のいたずら」。 発生と混交が原子論の突破口?アリストテレス主義の弱点から新たな物質理論が?[speculation] 広い視点から:観念の受容の問題(これまでの研究:スカリゲル、リプシウス、ガッサンディ)