- 作者: アントニオタブッキ,Antonio Tabucchi,村松真理子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2009/09/01
- メディア: 単行本
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つ、ついに出ましたぁ。タブッキの『イタリア広場』!
…いや、のっけから盛り上がってみたものの、タブッキという作家については名前をどこかの論文の表題で見たことがあるというくらいの記憶しかありません。『イタリア広場』という作品については名前すら聞いたことがありません。
それでも盛り上がってしまったのは、訳者の村松さんが翻訳原稿を抱えているのをずっと前から聞いていたからです。これだったのですね。そしてついに刊行にまでこぎつけたのですね(しみじみ…)。村松さんはずいぶん長い間締め切りに追われていた気がします。ええ、年単位で。
というわけで普段はイタリア文学はまったく読まないのですけど、これは購入して読んでみようかなと思っています。どれどれあらすじは…
《タブッキの処女作》
トスカーナ地方の海からそう遠くない、ある小さな村が舞台。それは象徴的に、「村(ボルゴ)」とだけ呼ばれ、物語の主人公は、そこに生きる、三世代にわたる一家だ。
物語は円環構造をもっている。「エピローグ」(と呼ばれているが巻頭にある)は、第二次大戦後、この作品の最後の主人公ガリバルドの悲劇で幕を開ける(閉じる)。
それに続くのは十九世紀末、ガリバルドの祖父、プリーニオと四人の子供たちの物語。
まずしい一家は、どのような「だんな」を持つことも拒否し、男たちは頑固なまでに個性的な生き方をもとめ、三十歳で死ぬことが宿命づけられているかのように、短い生をかけぬけていく。プリーニオは、禁猟地で密猟し、国の監察官に腹をうたれて死ぬ。末っ子のガリバルドは、三十歳で民衆の暴動を指導しながら、憲兵になぐられ死ぬ。その時四歳だった彼の息子は、やがてガリバルドと名を変え、ファシズムの時代を生き延びるものの、戦後の混乱のなかで悲劇を迎えることになる。
処女作には、作家の生涯のテーマが凝縮され、鮮烈な形で萌芽していると言われる。本書には、タブッキのその後の作品で追求され、洗練されていく重要なモチーフやテーマが、原石のように隠されている。双子や同名の親子などの「二重性」、表現や物語の多義的「曖昧さ」、生者と死者の関わり、等である。この若きタブッキとの出会いは、読者に新鮮な驚きと新たな喜びをもたらしてくれるはずだ。
うーむ。一つの家族をめぐる群像劇なんでしょうか?面白そう。でも構成は凝っていますし、お話も暗そうです。実は一般人お断りの話なのかもしれません。まあでもまずは手に取ってみましょう。話はそれから。
どうでもいいのですけど
それは象徴的に、「村(ボルゴ)」とだけ呼ばれ、物語の主人公は、そこに生きる、三世代にわたる一家だ。
って読点多すぎない?あと冒頭に挙げたUTCPのサイトのやる気のなさに絶望した(あらすじくらい載せようよ)。