今日はルネサンス研究会の日です。榎本さんにも会えます。行ってきます。
→行ってきました。
一番衝撃的だったのは、皆川卓さんの「16世紀ゴンザーガ諸候国の紛争と神聖ローマ帝国:近世『帝国イタリア』の理解のために」でした。イタリアを理解するにはこういう視角が必要なのかと目が開かれる思いでした。
木崎孝嘉さんの「フェリーペ2・3世期スペインにおける日本関係出版とその背景:天正遣欧使節と日本殉教録」は、私の頭がうまく働いていなかったからか話の肝をうまく捉えることができなかった。懇親会で問い詰めてしまってもうしわけないです。今度もっと詳しく聞かせてください。
とはいえとやかく言う前に、とりあえずこれを読むべきだろう。
- 木崎孝嘉「天正遣欧使節パンフレットに見るカトリック教会の宣教戦略」http://t.co/UVhD2gT
大貫義久さんの「ガリレオ『クリスティーナ大公母宛の手紙』に見る哲学的問題」は、科学史の発表。コペルニクス説を唱えることと、聖書の教えに従うことを両立させるために、ガリレオがいかなる議論を展開したかをとある書簡の分析から明らかにするものです。私にとって一番関心があるのは、結局のところガリレオはこのような営みにどの程度真剣に取り組んでいたのだろうかという問題です。大貫さんが少し触れていましたけど、当時の宮廷やら教皇庁周辺やらでのゴシップ拡散の速さというのは、科学の認識論的地位とかガリレオの宗教観と並んで見逃せない要素だったのだと思います。
伊藤博明さんの「キリシタン文学とエンブレム:『ヒデスの導師』と『平家物語』の題扉をめぐって」は、伊藤さんの十八番のエンブレム研究の一環。キリシタン関係の文書制作の実態を知るために、扉絵に着目するというのは(それだけでは不十分だけど)必要不可欠な着眼点だなと思いました。