- Kęstutis Daugirdas, "The Biblical Hermeneutics of Socinians and Remonstrants in the Seventeenth Century," in Arminius, Arminianism, and Europe: Jacobus Arminius (1559/60–1609), ed. Th. Marius van Leeuwen, Keith D. Stanglin, and Marijke Tolsma (Leiden: Brill, 2009), 89–113.
この論文でDaugirdasは、ソッツィーニの『聖書の権威』の新版がフォルスティウスによって1611年に出版されたことをきっかけに、ソッツィーニの聖書解釈の方法をエピスコピウス、クルセラエウス、リンボルフというレモンストラント派の神学者らが受け入れ、発展させていったと主張している。
Daugirdasはまず、ソッツィーニによる、新約聖書の信頼性は、それが信頼の置ける歴史的な文書だと言えることからくるという主張を確認する。そのうえでDaugirdasは、エピスコピウスはソッツィーニの主張を受け入れ、聖書の信頼性を内的な照明に求める反レモンストラント派の主張より優れているとした。なぜなら、反レモンストラント派の立場では、聖書の権威を認めない者も、自分は内的な照明からそれを認めないのだと主張できてしまい、水掛け論になるからである。またDaugirdasによると、エピスコピウスは、2つの点でソッツィーニより先へと進んだという。まず彼はキリスト教の真実性はもっぱら聖書の歴史的な信頼性にかかっているとした。さらに彼は、この歴史的な信頼性を確かめるのはもっぱら人間の理性によるのだということを、ソッツィーニよりもはっきりと宣言した。クルセラエウスはさらに、この理性による聖書解釈のやり方を解釈において適用すべき規則の体系として定式化した。リンボルフがこれをどう受け入れて発展させたかは、さらなる研究課題だとDaugirdasはする。