書評本 - 第二部読了

 今日はチェザルピーノを扱った章を読みました(157-175)。これでアリストテレス主義の鉱物学を扱った第二部(105-175)は読み終わったことになります。

 鉱物の起源を説明するときに種子の理論を用いることは、鉱物と生物とのあいだに一定の類比関係を見てとることを意味します。

 アグリコラやチェザルピーノはこのような類比関係の存在を否定し、鉱物の種子からの発生も認めませんでした。

 一方カルダーノは鉱物を生物とみなし、その発生を種子からの生成という枠組みを用いて解説しています。しかしカルダーノも、フィチーノらに代表されるルネサンスプラトン主義者たちのように種子の理論を神的なことがらと関係させることはしませんでした。

 現時点での理解で第二部を要約するとこんな感じになります。

 神的なことがらとのかかわりという点についてはおとなしめだった第二部の次は、いよいよパラケルスス主義を扱った第三部です。どうなることやら。