p. 203-204
魂の不死性についてのプラトンの見解を『国家』、『ティマイオス』、『ファイドン』、『アルキビアデス1』に沿って解説している。カルダーノ自身の見解が示されているわけではない。
p. 206
同じくプラトンの見解の解説。ディオゲネス・ラエルティウスの 3.67-68 を用いている。校訂版の中に 3.38 とあるのは間違い。
p. 292-93
「元素は自らに固有の場所で世界霊魂によって囲まれており、もし固有の場所の外にいればその場所へと[世界霊魂によって]運ばれる」。「あるいは元素のように栄養摂取の魂は世界霊魂によって動かされると考えよ」。
p. 309-11
「だが『気象学』第1巻から明らかなように[1.3.339a35以下]、元素の形相のこの力をアリストテレスは天に帰している。このことは海の水の事例でも明らかである。海の水は星々の軌道を追っているように思われる。また火は自身に固有の天球の内部で回転させられている。あらゆるものもまたこの[天の]力によって囲まれていると考えるべきである。このことはアヴェロエスも『論争[i.e. 矛盾の矛盾]』の中で述べている。この[天の]力は物質的なものではない。慈悲深い神によってこの力は諸々の知性に、天に、そして私たちが目にするこれら死すべきものに注がれた。したがって私は正しくも次のように言う。元素自身は世界霊魂によって動かされている。というのもあらゆるものは、自体的には宇宙の秩序を守ることを目指しているから(とはいえ結果的には妨げられるか、別のように働くのだが)。(中略)アリストテレスが言うにはこの力がいたるところに広まっている。彼曰く、この力は自然によって混交された事物に適切に結合しているとき魂と呼ばれる。ここからアリストテレスはすべてのものは魂で満ちていると言った」。
ここから分かるように、カルダーノが世界霊魂と呼ぶものは、神が世界の至るところに注いだ力のことです。こういう単一の原理が貫徹することで世界の秩序が生まれるという考えがスカリゲルの気に障ったわけです。スカリゲルによれば世界は単一の原理によって説明されるのではなく、階層的に配置された個々の形相がそれぞれ自分の役割を果たすことで秩序を守るという形で説明されねばならないので。
カルダーノについてはどうも『魂の不死について』の10巻を丁寧に読めば必要な情報は得られそうです。