研究室に行ったところ住田さんが『科学史研究』の最新号を持ってきてくれていました。論文4本、入門1本の充実した内容となっております。
論文
- 日本における写真レンズ技術の進歩:軍需主導による発展と工学設計における独創性の萌芽(1925-1945年)
- 池上俊三
- 石原純の前期量子論史における位置づけ:ボーズ統計、ド・ブロイ位相派、アインシュタイン量子条件に類する先駆的研究
- 安孫子誠也
- ファラデーの隣接粒子の問題点とイギリス経験論における可感ではない距離の議論
- 夏目賢一
- 外山亀太郎と明治期の蚕糸業における蚕の「種類改良」
- 森脇靖子
科学史入門
- 旧陸軍の航空研究戦略
- 水沢光
巻末にある小林学さんによる編集後記に『科学史研究』への投稿状況と、投稿時期についてのアドバイスがあります。重要な情報なので全文引くことにします。
読者のみなさま、会員のみなさま、2010年秋号をお届けします。
私が編集委員になって約2年がたちました。読者の立場で編集後記を読むと、『科学史研究』はいつも原稿が足りないと書いてある印象がありましたが、実際に編集委員になると予想したよりはるかに多くの新規投稿がありました。すべての論文と研究ノートは、査読者による厳正な審査を受け、掲載の可否が判断されます。その過程で、残念ながら、掲載不可となる論文や、改稿原稿が長く届かない論文があります。厳しい審査をパスして論文や研究ノートが掲載可になることは、編集委員としてこの上ない喜びです。「大幅改稿の上再審査」と審査された方で改稿があまり進んでいない方は、ぜひとも査読結果を吟味した上で再投稿して下さいますようお願いいたします。「掲載不可」となった方も、ぜひとも他の主題で論文を投稿されることを期待しております。
前号でも紹介しましたが、現在、編集委員会では、ホームページの充実を図っています。編集委員会の日程等が告知されています。編集委員会は1ヶ月から2ヶ月に約1度のペースで行われていますが、編集委員会の開催直後に新規論文を投稿された場合、都合2ヶ月近く、審査に入ることができない可能性があります。新規投稿論文の査読者を決定するのは、編集委員会です。ホームページをご覧頂き、次回の編集委員会の日程に合わせて新規論文をご投稿下さると最短で審査に入ることができると思います。会員の皆様の積極的なご投稿をお待ちしております。
編集委員会の日程が告知されているページはこちらになります。