古代新プラトン主義の概説

哲学の歴史〈第2巻〉帝国と賢者 古代2

哲学の歴史〈第2巻〉帝国と賢者 古代2

 本書に収録されている山口義久プロティノスと新プラトン主義」を読みました。必要な情報が高密度で分かりやすくまとめられており、概説のお手本のような出来になっています。後世への影響史の観点からすればプロクロスにもっと紙幅を割いてほしいところですが、それをこのシリーズに期待する方に無理があります。

 この第2巻はこれ以外にも水準の高い論考が満載です。「アレクサンドリアとローマの医学」と「プラトン哲学・アリストテレス哲学の復興」が特にお勧め。「哲学の歴史」シリーズで私が一番気に入っている巻ですね。