20世紀前半の内モンゴル医療政策についての発表を聞いた

 先日20世紀前半における内モンゴル地域での日本の医学政策についての発表を聞いて議論をしました。そこで一つ議論の焦点となったのが「モンゴル人」というもの。1932年以降、モンゴル人というと三つの政治的領域に分散していました。一つは満洲国という日本の傀儡国家内の少数民族、2番目は中華民国内の自治組織なんだけど実際には日本を顧問に据えたやはり相当に傀儡的な組織。そして最後に社会主義国としてのモンゴル人民共和国でこれはソ連への従属度が極めて高い。伝統的に風俗を共有していても、このように異なる性質を持つ政治的領域に割り振られた人々に日本はどのような植民地医療政策をもって臨んだのか。視点の取り方によっては深い洞察が取り出せそうではあります。