月より上の世界 プリンシペ『科学革命』#3

Very Short Introductions: Scientific Revolution No.266

Very Short Introductions: Scientific Revolution No.266

Lawrence M. Principe, The Scientific Revolution (Oxford: Oxford University Press, 2011), 39–66.
 第3章は「月上の世界」です。天文学は科学革命の記述の核をなしてきた領域でした。コペルニクスからケプラーガリレオを経てニュートンにいたるまで徐々に宇宙の隠された構造が把握され、説明が可能になっていく過程こそが科学革命だとみなされていたのです。アリストテレスプトレマイオスのモデルに代わるモデルがコペルニクスによって提示され、ティコ・ブラーエによる新星・彗星の観測によって旧来の宇宙観が根拠を失い、ケプラーによってついに古代以来の円運動の呪縛が破られ、望遠鏡を用いたガリレオの観測により月より下の世界と月より上の世界の本質的区別が廃棄され、ついにはアイザック・ニュートンが天体の運行とりんごの落下を全く同じ数学的法則によって記述することに成功した。このよく知られたストーリーです。

 ガリレオ裁判や占星術についても書いてあるものの、これらについてもすでに日本語で非常に優れた研究成果が出ているので、ここであえてまとめる必要もないでしょう。下記の関連著作一覧に進んで下さい。

関連著作

ティコ・ブラーエ

決定的な伝記です。

The Lord of Uraniborg: A Biography of Tycho Brahe

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ガリレオ

日本語の抜粋集が非常によいです。

The Essential Galileo

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ガリレオ 世界の思想家〈6〉 (1976年)

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デカルト

The Cambridge Companion to Descartes (Cambridge Companions to Philosophy)

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ニュートン

通読すると謎の感動を得ることができます。

アイザック・ニュートン〈1〉

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アイザック・ニュートン〈2〉

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ガリレオ裁判

ファントリの本はガリレオ裁判について語るなら必読です。

The Galileo Affair (California Studies in the History of Science)

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ガリレオ

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占星術

カルダーノのコスモス―ルネサンスの占星術師

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西洋占星術の歴史

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天文学理論

『天球回転論』の解説に高橋憲一さんが寄せている解説がレベルは高いものの優れています。

Theories of the World from Antiquity to the Copernican Revolution: Second Revised Edition

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コペルニクス・天球回転論

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