奥泉『シューマンの指』

シューマンの指 (講談社文庫)

シューマンの指 (講談社文庫)

 帰りの飛行機のなかで読みました。同じ著者の『バナールな現象』はとても難解な小説だったと記憶しています。それに比べて本作品はとてもシンプルな話の筋を持つ読みやすいものとなっています。前半部は著者によるシューマン論、音楽論として読むことができます。後半部からミステリー仕立てになっているのですけど、その部分の出来については賛否両論ありそうです。

 この本ではいろいろな作曲家のいろいろな曲に議論が及びます。私はそのほとんどを知らないので読んでいても雲をつかむような感触しか得られていません。しかしです、なんとこの本で言及されている曲を集めたアルバムが発売されているではないですか。これを聞きながら本作品を読めばまた理解が変わってくるのかも。

シューマンの指 音楽集

シューマンの指 音楽集