プラトンの作劇技法 納富『饗宴 プラトン』「100分 de 名著」#1

プラトン『饗宴』 2013年7月 (100分 de 名著)

プラトン『饗宴』 2013年7月 (100分 de 名著)

 NHKEテレはいつからか「100分 de 名著」というシリーズの放映を開始していたようです。今月7月のお題はプラトンの『饗宴』で、講師が納富信留先生となればこれは視聴しないわけにはいきません。遅ればせながら放送当日(今日)にテキストを買い求め、第1回放送分にあてられた箇所を読みました。今回は舞台準備といったところで、プラトンが設定した対話年代におけるアテナイの状況、ポリスにおける饗宴という慣習といったことが手際よく解説されたのちに、ソクラテスがいよいよ登場し問答をはじめるまでの対話篇の前半部が要約されます。詳しくは放送をみていただくとして、納富先生の解説を読んでいるとプラトンの創作術の巧みさがひしひしと伝わってきます。そうか、『饗宴』はこうやって構造化されているのか。ほかにも当日の宴席図解などテキストはたとえギリシア哲学の専門家であっても手元においておいて損はないできになっています。それではこのあたりで駄弁は切り上げて1時間後の放送に備えましょう(22時に記す)。