善と美を求めるエロース 納富『饗宴 プラトン』「100分 de 名著」#2

プラトン『饗宴』 2013年7月 (100分 de 名著)

プラトン『饗宴』 2013年7月 (100分 de 名著)

 いよいよ第2回の放送日がやってきました。今回は有名なアリストファネスの神話が登場します。かつて人間には三種類あり、男性、女性、男女であったというあの話です。しかしこの神話もまた、ソクラテスによるしかるべきエロースの定義を導き出すための準備段階の一つであり、いよいよ内容は善、美を求めるというプラトンの哲学観の核心へと入っていきます。しかし。

最近では、彼氏や彼女がいることが「現実生活(リアル)が充実している(リア充)」といわれて羨ましがられているようです。

というセンテンスが出てきたときには度肝を抜かれました(39ページ)。こんな下世話な部分だけを抜き出して、注目を引こうなんて納富先生の意図に反していることは明確なんですけど、それでも私はダメな人だから引いてしまう。そしてこの文句につられてこの記事を見たあなた、あなたも放送をしっかりと見て、この言葉がどのような文脈であらわれるかを確かめてください。本日11時からです。