『事物の本性について』1. 1-25.

  アエネイアースの子供たちの母よ、人間たちと神々の快楽よ、慈悲深いウェヌスよ、あなたは天の滑り降りてくる星座の下で、船を運ぶ海や、実りを運ぶ大地を祝福する。あなたによってすべての動物の種族は子を宿し、生まれ出て太陽の光を目にする。あなたから、女神よ、あなたから風は逃げ、あなたから天の雲は逃げる。あなたが到着すると。あなたに巧妙な大地は心地よい花々を送る。あなたに大海の海面は笑いかけ、光をまき散らして穏やかな空が輝く。

なぜなら、春の日の姿があらわになり、命をはぐくむ西の風がかんぬきをはずされて力をつけるとすぐに、まず空を飛ぶ鳥たちがあなたを、女神よ、あなたの始まりを告げる。あなたの力で胸を打ち鳴らしながら。

続いて野の獣や家畜たちがニッコニコの食べ物のまわりを跳ね回り、流れのきつい川を泳ぎ渡る。そのようにして動物たちは魅力にとらわれてあなたを熱心に追いかける。あなたが彼らのそれぞれを導き続けるところならどこへでも。

最後に、海、山、激しい川、鳥たちの葉が茂った家、緑の平野で、あなたはすべてのものの胸に魅力的な愛を生み出して、種族ごとにその種を熱心に生むようにさせる。

あなただけが一人ものごとの本性を支配し、あなたなしでは、何も光の神のような岸辺へと出てくることもなければ、何もニッコニコになり愛されるに値するようにはならない。だから、わたしが詩を書くために、あなたには私の仲間になってほしい。事物の本性についての歌を私は歌おうとするのだ。