翻訳

『名婦の書簡』 17 ヘレナからパリスへ

http://www.geocities.jp/mitakaryo/ovidius-heroides-17.htm とりあえず暫定訳ができました。これをマスターのところに持っていって叩きなおしてもらいます(ぶるぶる)。

名婦の書簡 17 続き

あなたは私の母がふさわしい人物だと思ったのでしょう。母がそうだったように、私の心も動かすことができるのではないかと考えたのです。 でも私の母は偽りの外見にだまされて過ちを犯したのですよ。このことを分かっていないあなたは間違っています。彼女を…

名婦の書簡 17 続き

でも私は怒ってはいません。自分を愛してくれる人に怒る人がいるでしょうか?でもそれも、もしあなたが見せてくれている愛が見せかけだけのものでなかったらの話ですけど。 そんな風に疑うのは、自分に自信がないからではありません。自分の顔のことをあまり…

『名婦の書簡』第17番書簡、ヘレネー→パリス

久しぶりにラテン語の詩を訳しはじめました。 今回訳しているのは、オウィディウス(前43-後17)というローマの詩人の手になる、『名婦の書簡』という作品の一部です。 この作品は、タイトルからも分かるように、主に女性たちの手紙から成り立っています。神…

『事物の本性について』 1. 62-101.

人間の人生は、重くのしかかってくる宗教の下で圧迫されて、誰が見てもみじめに大地に倒れて横になっていた。この宗教というものは、頭を天の領域から見せて、恐ろしい姿で死すべき者たちに上から迫っていた。その時はじめてギリシア人 [エピクロス] が、そ…

『事物の本性について』 1. 26-61.

それは私の友人であるメンミウスのためだ。彼をあなたは、女神よ、飾り立てて、常に万事につけて人に優っていることを望んだのだ。だから私が述べることに、女神よ、永遠の魅力を与えたまえ。しばらくの間は、残酷な戦争の任務が、海でも陸でもすべて鎮まり…

『シルウァエ』 II. 7. 93-135. 最終回

sic natum Nasamonii Tonantis post ortus obitusque fulminatos angusto Babylon premit sepulcro; 95 sic fixum Paridis manu trementis Peliden Thetis horruit cadentem; sic ripis ego murmurantis Hebri non mutum caput Orpheos sequebar. sic et tu …

『シルウァエ』 II. 7. 36-92.

Natum protinus atque humum per ipsam primo murmure dulce vagientem blando Calliope sinu recepit. tum primum posito remissa luctu longos Orpheos exuit dolores 40 et dixit: 'puer o dicate Musis, longaevos cito transiture vates, non tu flumin…

『事物の本性について』1. 1-25.

アエネイアースの子供たちの母よ、人間たちと神々の快楽よ、慈悲深いウェヌスよ、あなたは天の滑り降りてくる星座の下で、船を運ぶ海や、実りを運ぶ大地を祝福する。あなたによってすべての動物の種族は子を宿し、生まれ出て太陽の光を目にする。あなたから…

『事物の本性について』1. 159-214

なぜなら、もし無からものが生じてしまうのなら、すべてのものからすべての種族が生まれることができ、種はまったく必要なくなってしまうのだ。まず海からは人間が、大地からはウロコのある種族が生じることができ、鳥たちが空で孵化することができるように…

『シルウァエ』 II. 7. 24-35

(続き) Felix heu nimis et beata tellus, quae pronos Hyperionis meatus 25 summis Oceani vides in undis stridoremque rotae cadentis audis; quae Tritonide fertilis Athenas unctis, Baetica, provocas trapetis: Lucanum potes imputare terris! 3…

『シルウァエ』 II. 7

なんだか寝つきが悪いので、スタティウスの詩をもう一つ訳しはじめました。この詩はスタティウスが、ルーカーヌスという先輩詩人の未亡人に宛ててつくったものです。 ルーカーヌスとは誰か、とかいろいろ重要な話はあるのですが、今はそういう話はとりあえず…

「眠り」

…という枕詞を置いて、スタティウスの「眠り」という小品の翻訳を載せます。 スタティウスというのはナポリ出身の詩人で、50年ごろから96年ごろまで生きたといわれています。 作品には『テーバイス』『アキレウス』『シルウァエ』があります。今回訳した「眠…

クインティリアヌス

やらなければならないものがあるときほど違うことをやってしまいます(涙)。セネカ哲学全集にかこつけて、クインティリアヌスによるセネカ評を訳してみました。 マルクス・ファビウス・クインティリアヌス(35頃―100頃)というのは、全12巻からなる『弁論家…