ピエトロ・ポンポナッツィ(1462−1525)というルネサンスの哲学者についての研究を、ブックマークの方に集めておきました。
この人はイタリアのパドヴァ大学で教えていた人で、『霊魂の不死性について』(1516)、『自然的結果の原因について、または呪文について』、『運命について』といった著作を著しました。
『霊魂の不死性について』という本は、哲学的議論の枠内では、霊魂が不死であることは証明できない、という見解を述べ、後世に大きな影響を与えたと考えられています。
また『運命について』は自由意志の問題を扱っていて、1,2巻ではストア主義的な、つまり決定論的な(こういうとストア派の専門家には怒られますけど)運命論を展開しているそうです。ただし後半の3−5巻では穏健なトマス主義に戻っていて、著者の真意がはかりがたい著作でもあります。
なお、この『運命について』はネット上で手軽にテキストを見ることができます。ここです。
ポンポナッツィについて、日本語で一番しっかりとした記述は(というか英語でもなんですけど)、
- 作者: チャールズ・B.シュミット,ブライアン・P.コーペンヘイヴァー,Charles B. Schmitt,Brian P. Copenhaver,榎本武文
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 単行本
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