ガッサンディアリストテレス主義者に対する逆説的研究』
1. 1. 1 哲学というのは真理の探究であるのに、どうして誰も真理を手にしていないのか。哲学者たち(特にアリストテレス主義者たちは)無駄に議論をしてばかりいる。

1. 1. 2 本当には哲学はしていなくても真理の偉大さは偽哲学者たちによって不当に扱われてる(ルキアノスボエティウス)。以前真理は地上にやってきたのだが、自分がないがしろにされ、馬鹿なものたちにはうその作り事の方が性にあっていると知って、飛び去ってしまった。それからどれだけ頼んでもその影すら見せてくれない。アリストテレス主義者たちはこの事態に喜んでいる。彼らは本当の哲学はしていない。時間を無駄にしている。

1. 1. 3 哲学の目的は真理を知って、それを活用して幸せに生きること。対してアリストテレス主義者たちは議論に習熟するという別の目的を設定している。本当の哲学というのは穏やかなものであり、それはナイル川が緩やかに流れるために、他のすべての川よりも有用であるのと同じだ:(-_-;)。

1.1.4 議論している哲学者たちは喜劇だ。自分が間違っていると思っても、絶対に譲ることがない。まるでヒドラが戦っているよう。

1. 1. 5 アリストテレス主義者たちは、プラトンキケロー、セネカプリニウスプルタルコスといった人たちは無視して、アリストテレスだけを読む。しかもアリストテレスの中でも明快な家政論、政治学、動物論は扱わずに、オルガノンや形而上学といった曖昧なものを好む。分かりやすい箇所があっても、それは哲学にはふさわしくないとする。

1. 1. 6 論争にならないようなものは無視する。例えば数学。疑いようのない数学の証明は好まない。

1. 1. 7 誌的historico styloな書き方をしなければならないものを拒絶する。石、金属、植物、動物、その他のものについて。そういうことは知らずに無駄な議論と馬鹿げた質の組み合わせに習熟する。そんなものは観察や経験では示されないというのに。