名婦の書簡 17 続き

 でも私は怒ってはいません。自分を愛してくれる人に怒る人がいるでしょうか?でもそれも、もしあなたが見せてくれている愛が見せかけだけのものでなかったらの話ですけど。

 そんな風に疑うのは、自分に自信がないからではありません。自分の顔のことをあまり知らないからでもありません。そうではなくて、軽々しく信じてしまうことは、女にとって損害になるのが常だからです。それにあなたの言葉は信用できないともっぱらの噂になっていますし。

 「でもさぁ」とあなたは言います。「他の女の人は過ちを犯しているものさ。貞淑な人妻なんてレアケースだよ。」私がレアケースになるのを妨げているのは何なのでしょうね?(35-42)

[そうだ。書き忘れていましたが、テキストはケニーという古典学者が校訂したものを使っています。]