キルヒャー『磁石』

 キルヒャーケプラーの見解を批判している部分を要約しているのですけど、なかなかうまくいきません。僕の理解が足りないというのが最大の原因だとは思うのですが、別に原因があるようにも思えます。このキルヒャーという人の議論はがちがちに論理的であるとはいえないような気がするのです。記述に重複もありますし、ケプラーに対して彼が行っている反論が反論として(そもそも論理的に)適切に機能していないように見える箇所もいくつかあります。ラテン語自体はどうということはないですが、いざまとめるとなるとなかなか難しいです。

 『磁石』に関して一番詳しい研究はBaldwinという人の博士論文ですが、彼の要約は大味すぎてあまり参考にならないような気がします。はじめの一歩としては十分すぎるほどだと思いますが、細かくやろうとするといろいろ不満が…(いや、それでもすばらしい論文です、間違いなく)。