スペリング・チェック ラテン語版

 Google Docsスペリング・チェック機能に、ラテン語のチェック機能がついていることにさきほど気がつきました。さっそく少し使ってみたところ、かなり役立ちそうな感じです。ためしにキケローの『神々の本性について』の冒頭部分で実験してみたところ、次の黄色にした部分について誤字だと指摘されました。

Cum multae res in philosophia nequaquam satis adhuc explicatae sint, tum perdifficilis, Brute, quod tu minime ignoras, et perobscura quaestio est de natura deorum, quae et ad cognitionem animi pulcherrima est et ad moderandam religionem necessaria.

哲学には、これまで十分に解明されていない問題が数多(あまた)あるが、神々の本性をめぐる探求ほど困難で曖昧模糊としたものはない。この点については、ブルートゥスよ、あなたもよく心得ていると思う。神々の本性を考察することは、精神の働きを知る上で、もっとも高邁な営みであるばかりか、神への畏怖心を正しく培う上で必要なことでもある。(山下太郎訳)

 固有名詞の Brutus はともかくとして、たぶんチェック用に使われている辞書に perdifficilis(非常に難しい)と perobscurus(非常に不明瞭な)が入っていないのだと思います。それでも他の単語はいろいろと活用してあるのに(たとえば explicatae とか moderandam とか)、それらについては誤字だと指摘しはしないあたり、かなりの性能の高さを予感させます。