エマートンのスカリゲル解釈

 エマートンの『形相の科学的再解釈』はすばらしい本なのですが,スカリゲルの『演習』解釈については問題があるような気がしてきました.どうもラテン語の本文を丁寧に読み込んでいない印象を受けます.

 特にスカリゲルのフェルネル批判を扱わずに,彼らを同じ立場に立つ論者とて処理してしまっているあたりに難点がありそうです.

 といいつつまだスカリゲル自身の立場を私自身とらえ切れていません.今の時点では,彼のライトモチーフはカルダーノと並んでフェルネル(とアルベルトゥス・マグヌス)を批判することではないかと考えています.