16世紀から17世紀の発生論の基礎

The Life Sciences in Eighteenth-Century French Thought

The Life Sciences in Eighteenth-Century French Thought

 基本に立ち返って、『18世紀のフランス思想における生命の科学』の第2章「影との戦い」を読みました(35-73ページ)。さすが古典学から出発しているだけのことはあります。縦横無尽にラテン語の著作を引きながら、発生をめぐる当時の議論の焦点を描きだしています。個人的には「種子semen」の意味内容に触れた部分と、ガレノスの『胎児の形成について』に端を発する一連の議論を扱った部分が特に役に立ちました。しかしリチェティによる第一現実態と第二現実態の区別の話とかもちゃっかり書いてあるのですね。いやはや。