ヒロさんのメールマガジン最新号を読みました。17世紀のオリエント学者であるジャック・ガファレルは、かつてペルシア人行っていたという魔術の実践にならい、病気にかかったときに適切な図像をそなえた護符を身につけることで、病気が回復すると主張しました。これは図像が持つ特定の形状(figura)が医学的効能を持つという主張です。事物の外的な形状が特定の効能の所在を示す徴(しるし)であるという議論は、菊地原洋平さんの「記号の詩学 パラケルススにおける「徴」の理論」(『ミクロコスモス 第1集』収録)を読んだ方にはおなじみだと思います。ガファレルもやはりこの理論に通じており、同時代のパラケルスス主義者の文献を読み込んでいたことが分かります。ガファレルの事例が興味深いのは、彼が形状についての自分の理論と、パラケルスス主義者たちが報告するパリンゲネシスという現象(これが何であるかは下記の関連記事を参照)から、形相概念の再解釈を行ってみせる点にあります。実はこの再解釈は、少なくとも方向性としては、ピエール・ガッサンディやロバート・ボイルといった原子論・粒子論者が行ってみせたそれと極めて近いものです。なぜそんなことに?彼は護符の効力を論じていたのではないの?知りたい人はメールマガジン本体をご覧ください。
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