ライプニッツにおける形相と質料 Garber, "Leibniz on Form and Matter"

 ライプニッツの思想中での質料と形相の果たす役割を三つの時期に分けて追った論文です。関連記事で引いた同著者による近年の論考と主題は同じであるものの、少しばかり問題の捉え方が異なっています。基本的には質料形相論をデカルトホッブズ流の機械論で言い換え可能だと捉えていた初期から、単純実体とcorporeal substanceの両レベルでその個別性と能動性・受動性を理解するために質料と形相概念が要請されると考えた中期を経て、モナドの集合が単一実体をつくるための条件としての実体紐帯の構想を抱くようになった晩年までの経緯が語られます。