榎本『天才カルダーノの肖像』の書評、紹介 #1 『週刊読書人』『図書新聞』『文化通信』

 夏の盛りに発売された『天才カルダーノの肖像』の書評や紹介記事が秋の入り口にさしかかるころにすこしずつ出はじめました。

 イタリア・ルネサンス美術史を専門とする池上英洋先生による書評です。同じ万能人であってもレオナルドはよく知られているのにたいし、カルダーノの哲学は難解で人を寄せつけないものがあるのだが、じつはレオナルドや他の人物のものであれ、当時の絵画はカルダーノの哲学に現れているような思想への理解抜きにはりかいできないと綴られています。カルダーノの魅力を美術史家の立場からじつに巧みにひきだされた文章です。

 表題は執筆者がつけたものではないでしょう。それはともかく根占先生による書評です。こちらはルネサンス思想研究の専門家の立場から、これまでの榎本さんの活動に触れながら、本書の特質をしめそうとするものです。「こうして榎本は、これまでの信頼のおける翻訳者としての評価だけでなく、今後は自作の本書を有する研究者として注目されることになろう」。

  • 「『BH叢書』創刊し精神史の魅力紹介 勁草書房」『文化通信』2013年10月7日号

 こちらは一味違う記事です。「メディア産業の総合専門紙」に出ているだけあって他では手に入らない情報が掲載されています。たとえば『天才カルダーノ』の初版発行部数だとか、叢書第2弾の『パラケルススと魔術的ルネサンス』の予定部数だとか。手にとれる人は少ないと思いますけど、見られる人はぜひ。

 こうして書評紙や業界紙での紹介が進んでいる『天才カルダーノの肖像』、もうすぐ学術誌での論評もでるはずです。何か出次第紹介します。