錬金術の起源 Principe, The Secrets of Alchemy, ch. 1

The Secrets of Alchemy (Synthesis) (English Edition)

The Secrets of Alchemy (Synthesis) (English Edition)

  • Lawrence Principe, The Secrets of Alchemy (Chicago: University of Chicago Press, 2012), 9–26.

 こちらは自分用のメモです。より詳しい記述は柴田さんによる次の記事をご覧ください。

 著者はその語りを古代のエジプトからはじめる。ライデン・パピルス、ストック・パピルス、および『ギリシア錬金術文書』には、卑金属を貴金属に似せたり、貴金属を増量させるためのレシピが記されている。これらは実践的な処方集と異なり、理論的裏付けを備え、卑金属を貴金属に変化させるための技術(のちに錬金術と呼ばれる)が3世紀に出現した。これはギリシア自然哲学の理論と前述のレシピ集にあらわれている実践的知識が結合した地点に成立したものだ。代表的論者として紀元後300年ごろに活躍したパノポリスのゾシモスがいる。彼の議論のうちには後の錬金術の伝統のうちでひろく見られる秘密主義とデックナーメンの利用による名前の秘匿が観察される。