The Cambridge History of Medieval Philosophy 2 Volume Boxed Set
- 作者: Robert Pasnau,Christina van Dyke
- 出版社/メーカー: Cambridge University Press
- 発売日: 2009/12/17
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- Jan A. Aertsen, "Platonism," in The Cambridge History of Medieval Philosophy, ed. Robert Pasnau (Cambridge: Cambridge University Press, 2010), 76–85.
中世哲学でのプラトン受容を概観した論考である。中世世界はプラトンの哲学をラテン語訳を通じての直接的な回路と、他の著述家の作品を通しての間接的な回路の双方で知っていた。利用できたプラトンの作品は『メノン』、『パイドン』、『パルメニデス』(一部かつ対話篇形式でないもの)、『ティマイオス』(前半部)である。このうちもっとも影響力を持ったのは『ティマイオス』だった。12世紀には『ティマイオス』に依拠して世界を理性的に、かつ数学的に理解しようとする機運が高まる。プラトン哲学の内容を伝える他の作品としてはボエティウス『哲学の慰め』、アウグスティヌス、マクロビウス、そして偽ディオニュシオスの諸著作があった。また1268年に訳されたプロクロスの『神学要綱』は、中世のプラトン主義に興味深い認識をもたらすことになる。
キリスト教的アリストテレス主義の大成者とされるトマス・アクィナスの思考のうちで、プラトンに由来する分有概念の重要性が認知されて久しい。この他にもアクィナスはアウグスティヌスによりながら、神の精神のうちでのイデアの存在を認めている(ただし事物の本質が事物の質料を離れて存在することは認めない。この点ではアリストテレスにならう)。
70年ほど前にクリバンスキーが名づけた「中世におけるプラトン主義の継続」という鉱脈はまだ尽きていないようだ。
関連文献
- Thomas Leinkauf and Carlos Steel, eds., Platons Timaios als Grundtext der Kosmologie in Spätantike, Mittelalter und Renaissance (Leuven: Leuven University Press, 2005).
- 作者: Raymond Klibansky
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