- Emily Michael, "Renaissance Theories of Body, Soul, and Mind," in Psyche and Soma: Physicians and Metaphysicians on the Mind-Body Problem from Antiquity to Enlightenment, ed. John P. Wright and Paul Potter (Oxford: Clarendon, 2000), 147-72.
ポンポナッツィはアリストテレスの哲学からは霊魂の不死性は証明できないと論じた。これにたいして第五回ラテラノ公会議は不死性を可能なかぎり哲学的に証明するよう要請していた。この要請にこたえるため、ルネサンスのアリストテレス主義者たちは、15世紀まで支配的であったトマス・アクィナスの霊魂理解から離れた。その霊魂理解とは第一質料に単一の形相が宿るという単一論である。代わりに彼らはおもにフランシスコ会士たちが支持していた複数説を採用した。理性をつかさどる霊魂とは別の独立した霊魂が人間にはあるというのである。死とともに消滅するのはこの独立した霊魂の方である。理性をつかさどる霊魂は不死である。こうして人間のうちに不死と可滅的な二つの霊魂を認める二元論が広まった。これが17世紀にはガッサンディやデカルトにうちにあらわれることになる。
〔二元論を支持した人物として、フランチェスコ・ピッコローミニ、メランヒトン、テレジオ、ベイコン、カンパネッラ、リチェティ(ガッサンディが自らの典拠としてあげている)、ガッサンディ、デカルトが登場する。〕