2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小文執筆

今日は先日開催された西洋中世学会若手支援セミナーの参加報告記(?)を書きました。たぶん次号の『西洋中世研究』に収録されるのだと思います。1,200字という厳しい分量制限があったので、2つにポイントを絞って思うことを書きました。

天使は質料と形相からなるのか

論文を書くための下調べとして、天使の本性について中世で戦わされた議論についてメモをとりました。用いたのは次の2つの研究です。Angels and Angelology in the Middle Ages作者: David Keck出版社/メーカー: Oxford Univ Pr on Demand発売日: 1998/07/23…

ウェブで読めるボナヴェントゥラ全集

19世紀に出されたボナヴェントゥラ全集はウェブ上で閲覧することができます。一覧にしてみました。グーグルブックスから落とせるものについては、そのURLが先頭に挙げられています。6, 8, 10, 11, 12巻はさしあたりグーグルブックスでダウンロードできなかっ…

天使学の隆盛 Keck, Angels and Angelology, ch. 4

Angels and Angelology in the Middle Ages作者: David Keck出版社/メーカー: Oxford Univ Pr on Demand発売日: 1998/07/23メディア: ハードカバー クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る David Keck, Angels and Angelology in the Middle Ages (…

ヘレニズム・ローマ期の修練と聴取

有名なピタゴラス派の沈黙の教えについて論文で触れたので、1-2世紀の哲学教育での「聴取」の重要性を論じたミシェル・フーコーの講義を読みました。ミシェル・フーコー講義集成〈11〉主体の解釈学 (コレージュ・ド・フランス講義1981-82)作者: ミシェル・フ…

パラケルスス『医師の迷宮』

菊地原さんが『化学史研究』に寄せた書評を読みました。取りあげられているのはパラケルスス(1493/94-1541)の『医師の迷宮』(Labyrinthus medicorum errantium; 1538年ごろ)です。 菊地原洋平「紹介:パラケルスス『医師の迷宮』」『化学史研究』第38巻…

『化学史研究』2011年第1号 目次

『化学史研究』の最新号(第38巻第1号2011年)の目次が届きました。案内のメールからこちらに転載しておきます。 資料として収録されている小澤健志さんの論考では、ラテン語部分の翻訳に私も協力しています。皆さんぜひご一読を。菊地原さんによるパラケルス…

第4章完成

博士論文の第4章が書きあがりました。長さは約7,600ワードで短めの章となっています。

第4章イントロ

今日はようやく博士論文第4章のイントロダクションを書くことができました。前章とのつなぎ、先行研究の分析、問題提起というオーソドックスな三段階構成になっています。先行研究については以下を追加で見なければなりません。 Hans Wegner, "Investigation…

長生きアリストテレス主義 Grant, "Aristotelianism and the Longevity of the Medieval World View"

12世紀の終わりから17世紀のなかばまで、西洋の知識人たちが世界を解釈するさいの枠組みとして支配的な地位を占めていたのはアリストテレス哲学でした。どうしてこれほど長きに渡ってアリストテレス主義は支持され続けたのでしょうか。この問いに答えようと…

アヴェロエス 『形而上学要約』英語訳

On Aristotle's Metaphysics: An Annotated Translation of the So-called Epitome (Scientia Graeco-arabica)作者: Rudiger Arnzen出版社/メーカー: de Gruyter発売日: 2010/03/30メディア: ペーパーバック クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る…

占星術と錬金術

Isis Current Bibliography 2010をめくっていたところ、占星術と錬金術に関する大部の資料集がイタリアで刊行されていたことに気がつきました。 Leandro Cantamessa. Astrologia: opere a stampa, 1472-1900. (2 v.; xxx+ 1105 pp.; ill.; bibl.) Florence: …

第4章執筆状況

博士論文の第4章は本論がほぼ書きあがりました。長さは現在6,000語程度です。序文と結論をいれても8,000語程度に収まると思います。中身としては、これまで17世紀粒子論の先駆として取りあげられてきたスカリゲルの真空論と場所論を、彼の実際のところの問題…

新刊案内 Isis Current Bibliographyから

科学史の専門雑誌であるIsis誌は年に一回Current Bibliographyという補遺を刊行しています。ここではそこに挙げられた近刊のなかから気になる研究をリストアップしておきます。 「ヒポクラテス『養生について』における霊魂、種子、パリンゲネシス」 Hynek B…

初期パラケルスス派とスカリゲル

Der Frühparacelsismus, vol. 1, ed. Wilhelm Kühlmann and Joachim Telle (Tübingen: Max Niemeyer, 2001), 128-129, 139-40, 251. グーグル書籍でいろいろと検索していたら出てきたので手にとって必要な箇所を読みました。スカリゲルが取り上げられている…

水車の出現と普及 「叢書アナール」刊行開始

叢書『アナール 1929-2010 歴史の対象と方法』 1 〔1929-1945〕 (叢書『アナール 1929-2010 歴史の対象と方法』(全5巻))作者: E・ル=ロワ=ラデュリ,A・ビュルギエール,浜名優美,井上櫻子,北垣潔,平澤勝行出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2010/11/24メディ…