世界霊魂論研究その4 - 整理

 整理というより思いついたことをの殴り書きです。

 スカリゲルは世界が魂を持つことは認めます。しかし彼はプラトン主義者の想定する世界霊魂の存在は認めません。世界霊魂論を否定する際に、彼は幾つかの論点を立てています。それらの論点を大雑把に整理すると次のようになります。

  1. 一つの魂が世界に遍在するわけではない
  2. 一つの魂が世界総体の魂であるわけではない
  3. 一つの魂が残りの魂(ないしは形相)を生み出すことはない

これら三つの点はすべて、世界に魂が一つしかないという考え方を何らかの形で否定するために導入されています。これらの考え方を否定することによって、スカリゲルは世界秩序が複数の形相が階層構造を形成することによって保持されているという自らの考えを正当化しようとしています。

 この階層構造の中で世界の魂(universal formと言われる)はその他の魂(というか形相)の動きを秩序づける働きをしています。この世界の魂は、特に真空がどうして自然界では生じないかを説明する際に重要な役割を果たします。

 以上から分かるようにスカリゲルの世界霊魂批判は、宇宙が魂を持つこと自体を否定するのではなく、その魂が唯一の原理として存在することを否定するものとなっています。