世界霊魂研究その28 ジョルダーノ・ブルーノ

原因・原理・一者について (ジョルダーノ・ブルーノ著作集)

原因・原理・一者について (ジョルダーノ・ブルーノ著作集)

 世界霊魂について論じられている第二対話を読みました。ブルーノによれば、世界霊魂とは世界の普遍的な形相として万物を構成します。この構成を担うのが、世界霊魂のうちの第一の能力である普遍的な知性です。この知性をブルーノはプラトンデミウルゴス、『アエネイス』727行目の精神と同一視し、自身では「内的な職人 artefice interno」「職人的な知性 intelleto artefice」と呼びます。この知性によって構成された世界は一つの生き物として生きており、さらにはそれに含まれるすべてのものもまた生きているとされます。もちろん生きているといっても、すべてが植物や動物と同じように生きているのではありません。ブルーノが主張しているのは、宇宙の中でまったく生命原理に与らないものはいないということです。なぜなら万物には普遍的な知性によって支配されているのですから。