鈴木『古代末期禁欲論とエヴァグリオス』

古代末期禁欲論とエヴァグリオス

古代末期禁欲論とエヴァグリオス

 2009年1月に亡くなった鈴木順さんの遺稿をあつめ一冊としたものです。今日書店で目にするまでこのような本が出版されていたことを知りませんでした。扱われているのは4世紀後半に活動した砂漠の修行者エヴァグリオスです。後の修道院でのキリスト教に多大な影響を与えたにもかかわらず、日本語でなされた研究はほとんどありません。その理由の一つは彼の著作がしばしばシリア語訳でしか現存していないことに求められるでしょう。いずれにせよ鈴木さんはこの人物の研究を進めていた貴重な人材でした。博士論文が完成するまえになくなってしまったのは残念でなりません。この本を読んで学ばしてもらいましょう。