- 作者: Manfred Horstmanshoff,Helen King,Claus Zittel
- 出版社/メーカー: Brill Academic Pub
- 発売日: 2012/06/01
- メディア: ハードカバー
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- Tomas Macsotay, "Suffering Bodies, Sensible Artists: Vitalist Medicine and the Visualising of. Corporeal Life in Diderot," in Blood, Sweat and Tears: The Changing Concepts of Physiology from Antiquity into Early Modern Europe, ed. Manfred Horstmanshoff, Helen King and Claus Zittel (Leiden: Brill, 2012), 267–91.
ディドロの美的評価と生理学の関連について論じた論文です。ディドロは芸術家が作品をつくるときには、描いたり彫刻したいものを深く理解する必要があると考えました。この理解は医者が患者を診断するときにその状態を精密に理解する必要があることとパラレルにとらえられます。ここに医学理論に照らし合わせて、芸術家が行う造形を判断する道がひらかれます。この時ディドロが参照したのが、伝統的なデカルト的二元論ではなく、当時モンペリエで推進されていた生気論的生理学でした。ただこの医学理論に依拠したことがどういう帰結をもたらしたのかは、私にはよく理解できませんでした。人物のこれまでの来歴から推測される性格に忠実に造形を行わねばならないということと、この医学理論がディドロの物質主義をより包括的にすることに貢献したと書かれているのですけど、これらの議論の根拠や相互の連関は不明です。『ディドロの唯物論』を読んでから出直すべきでしょうか。
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