東のキリスト教「キリスト教 危機と復活の歴史」「#1 キリスト教の起源」

 BBCOpen Universityが、Diarmaid MacCullochの原作・プレゼンターにより放送した「キリスト教 危機と復活の歴史」シリーズの第1話「キリスト教の起源 The First Christianity」を視聴しました。このDVDはイギリスのアマゾンで安い値段で購入することができます。また高額ではあるものの、日本語字幕がつけられた国内版も販売されているようです。

 この第1巻、非常によくできています。なにより切り口がいい。キリスト教といえば西洋の宗教と人は思う。しかしそれは現在中東と呼ばれる地域で誕生した宗教である。なるほどたしかにパウロはローマにおもむいた。しかし逆の方向にもキリスト教は広がっていたのだ。東方へと広まったキリスト教はいかなる歴史をたどり、そこからいかなる特質が生まれたのか。キリスト教=西洋という固定観念に隠された一面に光をあてるという構図になっています。

 もちろん東方にもキリスト教が広まっていたということを知識として知っている人は多いでしょう。しかしそのうちどれだけの人が、そこで古代の様子を色濃く残した儀式を見て、そこで歌われている歌を聞いたことがあるでしょうか。番組では西方にまして東方のキリスト教では儀礼が重要な意味を持っていたと言われています。今に生きられている東のキリスト教の姿をかいま見ながら、その歴史を学ぶことができるこの第1話、はげしくおすすめです。