- Tamar Rudavsky, "Galileo and Spinoza: The Science of Naturalizing Scripture," Intellectual History Review 23 (2013): 119–39.
ガリレオとスピノザの聖書解釈の特質を併記した論文である。ガリレオは聖書の記述と新科学の成果は一致すると考えていた。もし新科学により疑問の余地なく論証されたことがらが、聖書の字義的解釈に反する場合、神学者は聖書の解釈を変更しなければならない。スピノザの聖書解釈も、新科学の探究方針に一致したものであった。しかし一致が求められる水準がガリレオとは異なる。スピノザによれば聖書の記述を科学的真実に合致させるような探る試みは学問的に許されない。なぜならそれは聖書が一個の歴史的文書だという事実を無視しているからである。聖書をその歴史的背景にそくして読まないのは、まるで自然という書物を読むときに経験と数学の教えにしたがわないようなものだ。自然も聖書も学問的に適切に読まれなければならない。歴史的に考えるならば、過去の預言者たちは天文学者たちではない。よって彼らが天文学上の真理を知っていたかのように聖書を読むことはできない。天文学的な事実の水準では、聖書の記述が現実とぶつかる場合は、聖書の記述はしりぞけられなくてはならない。聖書に科学的真理を求めてはならない。それは倫理観と敬虔さの導きであっても、知識の源泉ではないのだ。