シリア語ができる先輩のレジュメをもらってきました。
「『知恵のクリームの書』より、自然学の第8である、魂についての書」と題されています。
出典は Ms. Florence, Laurentianus syr.83 115a1,l.24-133a2,.14 だそうです。写本ですよ、写本…。
内容の目次と、シリア語日本語の対訳がついています。
度肝を抜かれたので、これの著者が誰で、いつごろ書かれて、どういう位置づけを研究史では与えられているのということを明日解説してもらえるのかと祈るように聞いたところ、アラビアが専門の別の方がそちらは解説してくれるとのことでした。ほっ。
今日借りてきたリベラという人の『中世哲学史』という本によると、このシリア語文書を書いた人は次のような人のようです(122ページ)。
13世紀には、もう一人の単性論者、すなわちメリテネ〔アルメニアの地名らしい〕の改宗したユダヤ教徒アーロンの息子でありバル-へブレウス(ヘブライ人の息子)と呼ばれた、グレゴリウス・アブー・ルーファラジがあらわれた。
1226年に生まれたグレゴリウスは、東方教会の「マフリアノ」(主教)として1286年に死んだ。彼の膨大な著作は、神学、歴史学(『シリア年代記』、『キリスト教年代記』)、哲学などあらゆる分野にわたっている。アラブ人たちがアレクサンドリアの図書館を焼き払ったとする伝説の言いだしっぺを探すと、どうやらアブー・ル-ファラジにいきつくようである。
しかし、哲学においては、バルヘブレウスは何といっても、アラブ人の著作家から搾り取った、3部に分かれたペリパトス主義哲学の一種の百科全書、『諸学の乳酪』を残している(第1部論理学、第2部自然学―霊魂論を含む―、第3部形而上学と神学[第1節]、倫理学、家政学、政治学[第2節])。
この全書の梗概(こうがい)(『交流の中の交流』)の他に、バルヘブレウスはまた、哲学の提要(『知恵の保全』)とアリストテレス論理学入門(『瞳の書』)を書いている。
同時代、ネストリウス主義者たちはもはや目立った哲学活動を行っていなかったようだ。
なるほど。いや、なるほどではなくて、これではやっぱり何のことか分かりませんよ。
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