『霊魂論中注解』みむらさんより

 みむらさんからさっそくお返事もらいました。どうもありがとうございます。激しく感謝です。

 以下長くなりますけど、僕が要約して不正確になってしまうのが怖いので、メールの関係する箇所を引用したいと思います。

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Ivryの

Middle Commentary on Aristotle's De Anima: A Critical Edition of the Arabic Text (Graeco-Arabic Sciences and Philosophy)

Middle Commentary on Aristotle's De Anima: A Critical Edition of the Arabic Text (Graeco-Arabic Sciences and Philosophy)

のp.149の注62に,このヴァチカン写本の言及があります.それに関係してかどうか,いくつかの参照文献も挙げてあります.

 序文においても,「15世紀の匿名訳者によるラテン語訳写本が存在するだけで,ヨーロッパには影響を与えなかった」と記述されていて,上の注はそれに対するものです.

 これが,ヘブライ語経由かどうかは,記述がありません.

 Ivryは,この中注解のヘブライ語訳も編んでいるので,そこには,何らかの記述があるのかもしれないです.

 あと,詳しいデータベースにも載ってるので,

http://www.thomasinst.uni-koeln.de/averroes/averdat30.htm

多分,このヴァチカン写本は存在するのでしょう.

 Epitomeについて,このデータベースはラテン語訳はないとしていますが,Burnett, が,The Cambridge Companion to Arabic Philosophy p. 398で,二種類の翻訳に言及しています.(どちらも,ヘブライ語経由らしい)

この情報が,何に基づいているのかよく分かりません.

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以上です。情報ありがとうございます。

  • アヴェロエス『霊魂論中注解』ラテン語訳の写本が一つヴァチカンにある。
  • 訳されたのは15世紀でほとんど読まれなかった。
  • Epitome(小注解)のラテン語訳がヘブライ語経由で2種類あると言っている研究者がいるが、情報の出所は未確認。

 まとめるとこうなりそうです。あつかましい質問にこんなに丁寧に答えていただいて感謝です!
 しかし新たな謎として小注解のラテン語訳…(しくしくしく)。
 ところでアヴェロエスデータベースなんてあったのですね。ぜんぜん知りませんでした…。