2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

via inveniendi

id:Freitagさんと長時間のチャット.後半は次々と前人未到の研究素材を発見していくのを見てただただあっけにとられていました.

アフロディシアスのアレクサンドロスと魂の不死

アレクサンドロスのアフロディシアスといえば、人間の理性的魂が肉体とともに消失するという説をとなえたことで、哲学史上知られています。 しかしアレクサンドロスは実際には「外からやって来る〔神的な〕思惟」の存在を認めており、この思惟を受容すること…

何もなし2

またもや何もなし。ひさしぶりにいわゆる「廃人生活」。

何もなし

今日は本当に何もせず、のんびりしていました。出来事らしい出来事といえば、家からテレビが運び出されていったくらいです。さようなら、テレビ。

研究会 - ロシア科学史

ロシア科学史(哲学史)についての論文草稿を読む会でした。これまで調査されていない資料を発掘してくるというのは、やはり歴史学の醍醐味の一つですね。発表者の方は水準の高い研究を持続的にされているので、ロシア語や英語にも活動の場を広げていくべき…

ケンブリッジ哲学史シリーズ、後期中世

The Cambridge History of Later Medieval Philosophy: From the Rediscovery of Aristotle to the Disintegration of Scholasticism, 1100?1600作者: Norman Kretzmann,Anthony Kenny,Jan Pinborg,Eleonore Stump出版社/メーカー: Cambridge University Pre…

アルベルトゥス祭り開催中

Katharine Park, "Albert's Influence on Late Medieval Psychology," in Albert Magnus and the Sciences: Commemorative Essays 1980, ed. James A. Weisheipl (Toronto: Pontifical Institute of Mediaeval Studies, 1980), 501-535. いいですね。イロハ…

パーゲルまとめ

スカリゲルもシェキウスもゼンネルトも、そしてハーヴェイも同じ問題の周りをぐるぐる回っています。彼らの頭の中には、取りうる立場とその立場に対して予想される反論というのがすべてセットになって収まっています。生命の起源について、一連の議論の型が…

Adelmann, Fabricius

Howard B. Adelmann, trans., The Embryological Treatises of Hieronymus Fabricius of Aquapendente : The Formation of the Egg and of the Chick (De formatione ovi et pulli), the Formed Fetus (De formato foetu) (Ithaca: Cornell University Press…

ブラバンのジゲル、魂について

Siger de Brabant, Quaestiones in tertium de anima ; De anima intellectiva ; De aeternitate mundi, ed. Bernardo Bazán (Louvain: Publications universitaires: 1972). forma informans という単語は使っていませんでした。informare という言葉は何箇…

スコトゥスと種子

スカリゲルによるとドン・スコトゥスは種子は一様な物質からなるので、いかなる作用ももたらすことができないと主張しているそうです。 私の知識レベルは、そもそもスコトゥスというのが誰なのかすら怪しいという水準なのですけど、とりあえずThe Cambridge …

ブラバンのシゲルス、『魂について』、校訂版

ブラバンのシゲルスの『魂について』の校訂版(多分校訂もしているよね?)が出ているそうです。 ヘルモゲネスを探して : 新刊案内 で紹介されていて知りました。 Sigeri di Brabante, Anima dell'uomo. Questioni sul terzo libro del "De Anima" di Aristo…

Pagel, New Light on William Harvey

New Light on William Harvey作者: Walter Paget出版社/メーカー: S Karger Ag発売日: 1983/12/01メディア: ペーパーバック クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る これはすさまじい。特に第10章は圧巻。まいりました。

EEBO

東京大学では今年の1月31日までEEBO(Early English Books Online)が学内から無料で利用できました。今はできなくなってしまったようです。残念すぎます。ECCO(Eighteenth Century Collections Online)は今でも使えます。 EEBOやECCOについてはいい解説が…

ハーヴェイとスカリゲルその2

ハーヴェイも plastic power という単語を使っているのですね(Pagel, 263)。そのような力が種子や精液の外部から来ることはハーヴェイは否定するものの、その力が神的なものであることは肯定しています。これは実はスカリゲルと同じ問題の立て方ですね。た…

ハーヴェイとアリストテレス主義

パーゲルはハーヴェイの発生論に見られる新プラトン主義的な要素やパラケルスス主義的な要素は的確に指摘しています。しかし一方でアリストテレス主義の発生論という背景にハーヴェイをどう位置づけるかという点には十分注意が行き届いていないように思えま…

forma informans - Kuksewics

Zdzislaw Kuksewicz, "Paul de Venise et sa théorie de l’âme," in Aristotelismo veneto e scienza moderna, ed. Luigi Olivieri (Padua: Antenore, 1983), 1:297-324. id:Freitagさんから教えていただいた一本。forma informansがアヴェロエス主義に導入…

Paulus Venetus, Summa philosophie naturalis

ヴェネツィアのパウルスの Summa philosophie naturalis を読もうとしています。現時点で収穫と言えることといえば、『ケンブリッジ版ルネサンス哲学史』でKesslerがひいている箇所を発見したことくらいでしょうか。なかなか進みません。 進まない理由は、省…

発生と形相

ものが混ざったりしたときに、混ざる前の形相はどうなってしまうのか、とかいうことは科学史家たちによって最近かなり広く議論されています。 しかしたとえば胎児が成長するときに、その胎児が持つ形相はどのような段階を経るのか(経ないのか)という類の議…

ニーフォによるミカエロス『「動物発生論」注解』利用

昨日ニーフォ(Agostino Nifo, 1469/70-1538)による『「動物発生論』注解』を読んでいて分かったことのひとつに、彼がフィロポノスに頻繁に言及するということがあります。どうやらニーフォはフィロポノスのというか実際にはエフェソスのミカエロス(Michae…

スカリゲルとハーヴェイ

パーゲルのハーヴェイ本を読んでいて、現代の歴史家たちのスカリゲルに対する誤解はハーヴェイに由来するのではないかと思い始めました。 誤解というのはスカリゲルとフェルネル(Jean Fernel, 1497-1558)の関係についてです。スカリゲルはフェルネルを念頭…

ニーフォの動物発生論

入手が難しい博士論文についてid:Freitagさんに質問させていただいた流れで、アゴスティーノ・ニーフォ(Agostino Nifo, 1469/70-1538)の Expositiones in omnes Aristotelis libros De historia animalium lib IX, De partibus animalium & earum causis L…

Forma informans としての知性

The Cambridge History of Renaissance Philosophy作者: C. B. Schmitt,Quentin Skinner,Eckhard Kessler,Jill Kraye出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 1990/09/20メディア: ペーパーバック クリック: 8回この商品を含むブログ (1件) を見…

materiaとmaterialis

あるものが materia であるということと、あるものが materialis と形容されることは別のことなのでしょうか。materia ではなくても materialis と形容されることはあるのか。

事務手続き、『形而上学』

今日は朝から事務手続きのためにいろいろ移動していました。帰ってきてからは『形而上学』のゼミで来週使う予定の翻訳のチェックをしました。今年修士2年にあがった人が作成した翻訳です。内容の把握はともかくとして単純な誤訳がかなりあります。もう少し既…

アフロディシアスのアレクサンドロス、『形而上学』第5巻への注解

On Aristotle's Metaphysics 5 (Ancient Commentators on Aristotle)作者: Alexander of Aphrodisias,William E. Dooley出版社/メーカー: Cornell Univ Pr発売日: 1994/03/01メディア: ハードカバー クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る ようや…

Newman, The Chemical Revolution and its Chymical Antecedents

William R. Newman, "The Chemical Revolution and its Chymical Antecedents," Early Science and Medicine 13 (2008): 171-191. 下記の2つの著作への書評です。Materials in Eighteenth-Century Science: A Historical Ontology (Transformations: Studies…

Bos, The Soul and Its Instrumental Bodyがすごいかも

The Soul and Its Instrumental Body: A Reinterpretation of Aristotle's Philosophy of Living Nature (Brill's Studies in Intellectual History)作者: A. P. Bos出版社/メーカー: Brill Academic Pub発売日: 2003/09/01メディア: ハードカバー クリック:…

ずっと翻訳

今日はずっとラテン語を英語に訳す作業を行っていました。来週前半まではこの調子でラテン語にへばりついていることになると思います。

potentia propinquaとpotentia remota

potentia propinquaとpotentia remotaという区別をスカリゲルは用いています。なんのこっちゃとおもってグーグル検索したら(なんでもグーグルに聞く)、Albert of Saxonyに帰される次のような文章に遭遇しました。 Unde illud quod actu habet caliditatem …